スポンサーサイト
カテゴリ: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
編集 / --.--.-- / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
マスコミは どのように発想するか
カテゴリ: 医療全般
あるSNSでの 現役TVディレクターtoriiyoshikiさまの日記から。

現在の医療報道を考える上で非常に参考になると思いますので
ご本人の許可を得て転載します。


マスコミはどのように発想するか

A県B市の市立病院で医師の大量退職があったとします。
これは一大事と地元紙C新聞のD記者が取材にかけつけました。
取材に対応したのは、B市立病院のE院長とF事務長。
二人は医師退職の原因を問うD記者に次のように答えました。

「ここはA大学医学部に医師の派遣をお願いしてきたのだが、
 肝心の医局が新臨床研修の影響で医師不足に陥り、
 医師を引き上げざるを得ないという話になった。
 たまたま開業する医師もいたため、
 診療科目の維持が困難になって困惑している」

D記者は、話の「ウラをとる」ために、
さっそくA大学医学部のG教授に連絡を取り、取材をします。
G教授の話もE院長らと同じで、
新臨床研修の実施に伴い医師が医局から流失していること、
そのため医師を引き上げざるを得ないという苦衷を語りました。
そこでD記者は取材の結果を記事にまとめ、翌日の朝刊に掲載。
見出しは、きっとこんな感じでしょうね。

「B市立病院で医師の退職相次ぐ
 新臨床研修制度で相次ぐ医師の退職
 安心して暮らせなくなる…B市住民の不安の声」

このC新聞の報道は、決して責められるべきものではありません。
関係者は誠実に自分の立場を話しており、
D記者もきちんと取材のウラをとって記事を書いています。
しかし、実はB病院の内情は、
相次ぐ住民の“コンビに救急”で医師が疲弊しきっており、
「たまたま開業する」H医師は、
実はそのために開業を決意していました。
また、医局に帰ることになった医師の一人、Iさんは、
関係各方面に秘かにSOSを出して、
どうにか他の病院に行かせてくれるように運動。
また同じくJ医師の場合は、
医師と患者のあいだのクッションの役割を果たそうとしない
B病院の事務方の体質に絶望、
水面下で医師の引き上げを主張(画策?)していたのです。
(これはフィクションですが、根も葉もない話ではありません。)
そうすると、事態の深層は、
報道されたものとはかなり様相の違うものになってしまいます。

D記者は院長や教授の話を聞くことで納得し、
H、I、Jの各医師に取材しようとはしませんでした。
しかし、普段から病院を取材する機会はほとんどなく、
医療現場にそんな問題が潜在していることを知る由もない
D記者を責めるのはいささか酷だと思います。
また、H、I、Jの各医師にしても、
もしD記者が訪ねてきたとしても、
必ずしも本音は語らなかっただろうと考えられます。
結果として、C新聞の記事は、
「誤報」とはいえないまでもかなり一面的なものになりました。

…さて、この話はまだ続きます。
実は、大同小異、同じようなことが、
他の都道府県にある自治体病院、
K県立病院やL市立病院、M町立病院でも起こっていたのです。
ほぼ同じような過程を経て、同じような記事が紙面を飾りました。

そのころ、東京のN放送局では、
敏腕プロデューサーとして知られるOさんが、
全国で医師の大量退職が問題になっていることを察知します。
そこで部下のPディレクター、Qディレクターの二人に命じて、
リサーチ(番組にするための下調べ)を始めます。
P、Qともに将来を嘱望される優秀な若手ディレクターですが、
地域医療の現場を取材した経験はありません。
そこでまずやるのが、新聞記事の検索です。
すると、全国各地で大量の記事がヒットしました。
D記者が書いたC新聞の記事をはじめ、
K、L、Mの各病院…その他の記事が見つかりました。
そのほとんどが、関係者の話として、
医師の退職は「新臨床研修制度がきっかけ」だと伝えています。
P、Qの両ディレクターは思わず叫びます。

「そうか!新臨床研修制度ってのが問題だったんだ!!」

二人の報告を受けたO敏腕プロデューサーは即断。

「よし、わかった。それで行こう!
 国の制度が地域の病院を追いつめる…
 これはスペシャル番組でいけるぞ!!
 改革派で有名なR県のS知事をスタジオに呼べ。
 大学関係者にも出演してもらわなければならないな。
 R県に主に医師を供給しているのはどこの大学だ?
 T大学?…よし、そこの医学部長も呼んでこい!」

こうしてスペシャル番組として、
新臨床研修制度の問題点を考える番組が作られ、
オンエアされました。
その番組を偶然みていた全国紙U新聞社会部のVデスクは、
翌日、部下のW記者、X記者を呼んで命じます。

「ちょっと新臨床研修制度っつうのを洗ってみろや…」

こうして個々の報道機関、記者やディレクターが意識しないまま、
ある「流れ」ができ、「空気」が生じます。
Y県では知事が臨床研修制度を見直せないかと云いだし、
政府の諮問委員会の委員も務める識者のZさんは、
「医師に僻地病院勤務を義務づけるべきだ」と主張し始めました…

(これはあくまでフィクションであり、
 実在の組織や個人をモデルにしたものではありません…笑)

B病院(やその他の多くの病院)の内実とは、
ずいぶん隔たったところに来てしまったと思いませんか?
結果として「医療崩壊」が
専ら「システムの話」として語られてしまうことになりました。
新臨床研修制度は医療崩壊の引き金をひいたに過ぎず、
本当の原因は違うところにあるのでは?…という声は、
マスコミのなかであまりメジャーにはなりません。

これはもちろん単純化し、戯画化した話ですが、
こういうことが日常的に起こっているのがマスコミの現場です。



これほどすっきりした解説は今まで見たことないかも。

イニシャルトークかと見間違う。


こういう背景を理解してマスメディアに接することが大事なんですね。

これを理解せずにいたということは 
私たち ほとんど丸腰で立ち向かっていたということかも?
スポンサーサイト
編集 / 2007.10.17 / コメント: 4 / トラックバック: 0 / PageTop↑
コメント
 
Title
 
 
 
 
 
 
Secret 


Pagetop↑
トラックバック
Pagetop↑
Powered by 名言集および格言集
プロフィール

くらいふたーん

Author:くらいふたーん
本業はプライマリケア

ワークライフバランスの
確立が現在の最大の
関心事

夢は
半農半医 ちょっとサッカー

味噌は自家製。
規模は縮小したが、
畑も少しやっている

芝のミニサッカーコート
作っちゃいました

ブログ内検索
FC2カウンター
リンク
このブログをリンクに追加する
FC2ブログランキング
ブログランキングに参加中

FC2ブログランキング

お気に召せばポチっとご協力を
なかのひと
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。